東洋医学の考え方では、同じ症状でもその人の体質によって、治療法の組み立てが少しずつ違うのです。
この組み立ての考え方は、3つの要素から身体をとらえるのを基としています。
それは、「熱・寒」「気・血・水」「臓腑」のことで、前回は「熱・寒」をやりましたので、
今回は「気・血・水」の『気』の考え方を知って頂きたいと思います。
気(き)・・・東洋医学が考える「気」は5つの働きを持っている。
気とは、エネルギー・機能・働き・活動・生命力を意味しており、それは次の五つに分けられるものです。
- 防御作用・・・身体の表面を防御し、ウイルスや気象の変化などの侵入を防ぐ。
- 気化作用・・・血液や唾液、リンパ液などの生成と、尿、汗への転化をつかさどる。
- 推道作用・・・身体のさまざまな新陳代謝や生理活動を促進する。
- 温駆作用・・・身体を温めて、体温を正常に保つ。
- 個摂作用・・・汗、尿、血液などが、漏れ出てしまうのを防ぐ。
自分のタイプをチェックしてみましょう
下記のチェック項目に印を付けた場所が半分を超えたら自分のタイプです。
気虚タイプ・・・「気」の五つの働きが低下した状態
- 身体がだるい
- 気力がない
- 疲れやすい
- 食欲不振
- 風邪をひきやすい
- 息切れがする
- 顔色が白っぽく生気がない
- 消化不良を起こしやすい
- 日中にウトウトする
- 眼光・音声に力がない
- 寝汗をかきやすい
- 舌が白っぽくて厚ぼったい
気滞タイプ・・・五つの働きが亢進し過ぎた状態
- 朝起きにくく調子が出ない
- 頭が重い・何か詰まった感じ
- ゲップやガスがよく出る
- 喉がつかえる
- 胸が詰まった感じ
- 胸部や腹部の緊張感
- 胸や脇腹が張って苦しい
- 気持ち悪さや吐き気がある
- 排尿困難や残尿感がある
- 排便がスムーズではない
- 時間によって体調が変化する
- 痛みやコリの症状や場所が日によって動く
養生法
気虚の場合によい食べ物(元気がなく、ため息が多いときによい食べ物)
大麦・小麦・ハト麦・そば・もち米・大豆・豆腐・そら豆
ジャガイモ・サツマイモ・サトイモ・山芋
かぼちゃ・ニンジン・栗・松の実・椎茸・きくらげ・うなぎ・鯉・スッポン・フカヒレ・貝柱
気滞を改善する食べ物(上半身が重苦しく、ゲップが出やすいときなどの食べ物)
エンドウ豆・落花生・春菊・からし菜・ザーサイ・にら・さやえんどう・ホウレンソウ・ネギ
玉ねぎ・大根・ニンニク・ショウガ・ラッキョウ・みかん・ゆず