「鍼灸治療は、自然治癒力を高めて体調不良や病気を治していると言うが、自然治癒力とは何なのか?」
自然治癒力とは、身体が自ら不調や病気を治そうと言う力のことを言います。
様々な薬を使い分ける病院治療が発達した現在、そんな力は病気の治療には関係ないと思われるかもしれませんが、
実際は、病院医療もこの自然治癒力を利用して病気の治療をしているのです。
例えば、感染症に抗生物質を投与しますが、患者さんの自然治癒力が低下していて抵抗力(免疫力)が少ない場合は、
大量に抗生物質などを投与しても、あまり良い結果は得られません。
また、下痢が止痢剤で治まったり、痛みが鎮痛剤で治まったりすることを例にすれば、
これらは、薬剤により下痢や痛みの原因を治療したのではなく、とりあえず一定期間症状を止め、
その間に自らの体が治してくれることを期待したのです。
これを考えれば、この治療法は、人間に自然治癒力があること、また、それを利用したことを裏付けていることになります。
「どんな治療法も、自然治癒力の協力が必要」
鍼灸を含め様々な治療法も、自然治癒力が低下していれば十分な効果が上がりません。
薬を飲んで症状が治まると、薬だけの効果と思いがちですが、実際には、薬とその人の自然治癒力が協力して病気を治したと考えた方が自然でしょう。
鍼灸治療は、この自然治癒力を高めることを重要視しています。
実際、鍼灸治療を続けていると、薬の危機がとてもよくなったり、少ない薬で症状が治まったり、
あるいは、薬を飲まなくても済むようになったりすることが多くあります。
これは、鍼灸治療によって、その人の自然治癒力が高まったことを意味するものでしょう。
「鍼灸治療の併用で、治療効果は倍増する」
過去に私は、総合病院の中で鍼灸治療を行ってきました。
その時に、病気ですでに投薬を受けている患者さんに鍼灸治療を行うと、有効率(効果があった割合)が10~15%上がることをデータとして確認しています。
10~15%というと大した数字に感じないかもしれませんが、医療の中では5%の有効率の向上は、大変な効果なのです。
つまり、鍼灸治療を併用したことにより治癒能力が高まり、薬の効果が倍増されたのです。
もちろん、鍼灸治療だけでも十分な有効率を挙げていたことは言うまでもありません。
「病気や症状に合わせた治療法を選択する。」
治療を受ける方は、より自分の状態に有意義な治療法を選択する必要があります。
もちろん、病院医療と鍼灸の両方の治療を併用して、その効果を倍増させると言った選択も大いに必要でしょう。
しかし、自分の病気や症状に、どの治療法を選択すればよいのかを判断するのは難しいものです。
そんな時はどんな些細なことでも結構ですのでご相談ください。