東洋医学の考え方では、同じ症状でもその人の体質によって
治療法の組み立てが少しずつ違います。
この組み立ての考え方は3つの要素から身体をとらえるのを
基本としています。この身体のとらえ方を『証』と表現しています。
基本となる3つの要素とは 「熱・寒」 「気・血・水」 「臓腑」のことで、
今回はこのうちから「熱・寒」の考え方を知っていただきたいと思います。
熱証と寒証( ねつしょう と かんしょう )
熱と寒といっても体温計で計って、熱があるとか体温が低めであるとかではなく、
自分が熱いと感じているか、寒いと感じているかという判断のことです。
熱証・・・熱っぽさを感じている。熱があるのではなく、なんとなく熱いと感じる。身体の機能がバランス悪く強いこと。
寒証・・・寒いと感じている。自分の回りの人とくらべ、寒がり。身体の機能が低下しているか、働きが鈍くなっている。
自分のタイプ(証)をチェックしてみましょう。
下記のチェックシートに印をつけてみてください。この結果はプロの診断と一致しないかもしれませんが、ご自分のタイプを知る目安になると思います。
印をつけた個所が半分をこえたら自分のタイプと考えられます。
熱証タイプ
- 顔がのぼせたり、ほてったりが多い
- 顔色は血色がいい~赤い傾向がある
- 少し動いただけで、手や足がほてりやすい
- のどが渇くことが多い
- 暑さに強い・クーラーが好き
- 冷たい食べ物や飲み物が好き
- 人より薄着のことが多い
- 便秘することが多い
- 尿の色が濃かったり量も少ない
- 舌が赤っぽかったり黄色の苔(舌苔)がある
寒証タイプ
- 身体が冷たかったり、寒がりの方
- 顔色が白い~青白い傾向がある
- 手や足が冷えやすい
- のどはあまり渇かない
- 寒さに弱い・クーラーが嫌い
- 温かい飲み物や食べ物が好き
- 人より厚着がのことが多い
- 下痢や軟便のことが多い
- 尿の色が薄くて、回数が多い
- 舌が白っぽかったり白い苔(舌苔)がある
養生法
熱証・寒証それぞれの場合、どう養生すればよいか示していきましょう。
熱証の傾向の方
辛い食べ物、肉類は身体に熱を発生させるので取りすぎに注意しましょう。
生野菜、果物は身体を冷やしてくれるので、適応でしょう。
頭・首・足首は熱を発散させる場所なので風通しが良い服装があうでしょう。
寒証の傾向の方
生野菜、果物は身体を冷やすので少なめにする。
葉野菜より根野菜は身体を温める。
冷えが強いときは足湯や腰湯で温める。
空気の層を作る重ね着は暖まる。
きつい下着は冷える。