浜松市中央区の100年の歴史を持つ鍼灸院。
東洋医学と現代医学の融合で、肩こり・腰痛から交通事故、精神的な不調まで。

鍼灸について|浜松市中央区の鍼灸院|漢方療院

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鍼灸について

東洋医学とは?

東洋医学の考え方の基本は、古代中国の哲学思想に始まります。
その考えは天地間の自然現象も、人間の生理現象もすべて「氣」によって生まれ、同一の原理によって支配されているという「天人合一」という思想です。この思想に基づき、自然界の現象を大宇宙、人間の生理現象を小宇宙とし、人間もまた自然界の一部であると考えたのです。
その根底の思想が、「陰陽論」であり、「五行論」 です。

陰陽とは

「陰陽論」は、「自然界のさまざまな物事と変化は、その物事の内部に存在し対立するものの働きによって生じる作用である」と考え、その相対するものを「陰」と「陽」に分けました。
例えば、一日を一つのものと考えてみると、昼の太陽が出ている間は「陽」であり、それとは反対に夜は、「陰」と分けられ
ます。
「陰陽」は絶対的な概念ではなく、一日の中に朝や夕方などの時の流れ(陰陽の移り変わり)があるように、「陰」と「陽」は、対立しながらも互いに依存しあい、消長していくことで一日の日のバランスを保っているのです。

五行とは

古代の人々は自然のすべての現象を、長い生活上の経験から【木、火、土、金、水】と言う5つの性質に分け、それらの相互関係を理解していました。この考え方を五行といいます。
五行の考え方にあてはめられた物が人体の【※五臓六腑】。
自然界の関係を理解する手段として、五行は施術面で多大な影響を与えています。

人の陰陽と鍼灸

先にも述べたように「人間は自然界の一部」であり、自然界と同じように人にも「陰陽」が存在します。
例えば、人間の内臓はその性質や働きに応じて「陰」に属するものと「陽」に属するものに分けられます。
さらに詳しく述べると「五臓六腑にしみわたる・・・」という表現の中の五臓は「陰」の性質を持った臓器であり六腑は「陽」の性質を持っています。
つまり、人間も自然界と同じく「陰」と「陽」の相互作用により正常な生命活動が行われ、その相互関係に乱れが生じ、バランスが崩れてしまった状態が「病気」という事になるのです。
鍼灸は「ツボ」をつかい、その崩れてしまったバランスをもう一度、正常な状態に戻すための大切な施術手段としてとても有効です。

五臓
肝・心・脾・肺・腎
六腑
胆・小腸・胃・大腸・膀胱・三焦(三焦とは、東洋医学的な考え方で、機能としての存在です。)

鍼灸治療と自然治癒力

鍼灸は、自然治癒力を高めて体調不良や病気を改善していると言うが、自然治癒力とは何なのか?

自然治癒力とは、身体が自ら不調や病気を治そうとする力のことを言います。
様々な薬を使い分ける病院治療が発達した現在、そんな力は病気の改善には関係ないと思われるかもしれませんが、実際は、病院医療もこの自然治癒力を利用して病気の治療をしているのです。

例えば、感染症に抗生物質を投与しますが、患者さんの自然治癒力が低下していて抵抗力(免疫力)が少ない場合は、大量に抗生物質などを投与しても、あまり良い結果は得られません。
また、下痢が止痢剤で治まったり、痛みが鎮痛剤で治まったりすることを例にすれば、これらは薬剤により下痢や痛みの原因を治療したのではなく、とりあえず一定期間症状を止めその間に自らの体が治してくれることを期待したのです。

これを考えれば、この治療法は、人間に自然治癒力があること、また、それを利用したことを裏付けていることになります。

どんな治療法も、自然治癒力の協力が必要

鍼灸を含め様々な施術法も、自然治癒力が低下していれば十分な効果が上がりません。

薬を飲んで症状が治まると、薬だけの効果と思いがちですが、実際には、薬とその人の自然治癒力が協力して病気を治したと考えた方が自然でしょう。
鍼灸の施術は、この自然治癒力を高めることを重要視してい
ます。
実際、鍼灸の施術を続けていると、薬の効きがとてもよくなったり、少ない薬で症状が治まったり、あるいは薬を飲まなくても済むようになったりすることが多くあります。
これは、鍼灸の施術によって、その人の自然治癒力が高まったことを意味するものでしょう。

鍼灸の施術を併用することで、効果は倍増する。

過去に当院の院長は、総合病院の中で鍼灸の施術を行ってきました。
その時に、病気ですでに投薬を受けている患者さんに鍼灸の施術を行うと、有効率(効果があった割合)が10~15%上がることをデータとして確認しています。
10~15%というと大した数字に感じないかもしれませんが、医療の中では5%の有効率の向上は、大変な効果なのです。

つまり、鍼灸の施術を併用したことにより治癒能力が高まり、薬の効果が倍増されたのです。
もちろん、鍼灸の施術だけでも十分な有効率を挙げていたことは言うまでもありません。

病気や症状に合わせた施術法を選択する

施術を受ける方は、より自分の状態に有意義な方法を選択する必要があります。
もちろん、病院医療と鍼灸の両方の施術を併用して、その効果を倍増させると言った選択も大いに必要でしょう。
しかし、自分の病気や症状に、どの施術法を選択すればよいのかを判断するのは難しいものです。
そんな時はどんな些細なことでも結構ですのでご相談ください。

鍼灸の施術は癖にならない?

病気の予防と健康の維持に絶大な威力を発揮

「鍼や灸はよく効くらしいけど、クセになるんでしょう?」

こんな素朴な疑問を効くことがあります。安心して下さい、鍼や灸はクセになどなりません。
確かに、鍼灸の施術を一度も受けたことがない方たちの、この素朴な疑問・心配は、鍼灸の特性を知らないからこそ起こるもの
です。
知らずに通院患者さんを見ていれば、

「どこも悪くなさそうなのに、なぜ通っているの?」

と、思われる患者さんは多くいるのではないでしょうか。
事実、当院に通っている患者さんの約20%は、特に不調がないのに施術を受けています。なぜなのでしょうか?

この通院の意味を知らずに見ていれば、
「病気でもないのに通院しているのは、クセになっているからだ。」と、早とちりしてしまうでしょう。
確かに、病院で診察してもらうときは、病気のときに限られてます。
病気でもないのに薬を処方してもらったり、注射をして下さいという人はまずいません。
ところが、鍼灸の施術院は少々違うのです。
鍼灸の(東洋医学の)最も優れた点の1つとして、鍼灸は病気の時だけでなく、病気の予防と健康の維持に絶大な威力を発揮するのです。
このことを『未病を治す』と言います。

自分の体を自分で管理する

病気になったら治療をするのは当然、と思っている方は大多数だと思います。
しかし、病気になる前に体の調整や管理をする、と思っている方は案外少ないのではないでしょうか。

しかし、現代社会は肉体的にも精神的にもストレスがたまりやすい時代です。
現代人のほとんどは、「半病人」と言っても過言ではありません。
病気になってから、膨大な時間と費用を使い病気を治療するよりも、病気になる前に「病気になり難い身体」を、作るほうが実際の所、賢明といえるのではないでしょうか?

鍼の痛くない工夫

管鍼法で痛くなく皮ふを通過

「現在主に使われている鍼の技法は、撚鍼法と管鍼法の二種類ですが、もっとも一般的に行われているのは管鍼法です。
「管鍼法」とは、管の中に鍼を通してトントンと上からたたくように入れていく方法で、これは日本で独自に開発され、中国にはない技法です。

この管の事を鍼管(しんかん)と言い、鍼よりも2~3㎜短くなっています。
この管の中に鍼を入れて皮膚の上に置くと中の鍼の頭が少し出ます。その少し出た頭の部分をトントンと上からたたくと、皮ふの中にスッと入っていきます。皮膚には「痛点」がたくさんありますが、瞬間的に通過しますので痛みを感じることがほとんどありません。
鍼の頭の部分さえ入ってしまえば、鍼先は痛さを感じる皮ふをすでに通過していますので、それ以降は鍼が刺さっていることに対しての痛みを感じることはなく、あとは目的の深さまで入れることになります。

ちなみに、この管鍼法を考え出したのは後に、「正五位」という高い位を承る杉山和一という人です。
杉山和一という人はシャレにならないほどの不器用者で、鍼をさすなんて高度なことはできません。なので、医療所をクビになり歩いている時、石につまづき転んだところ、竹と松の葉が目の前にありこれを見て「管鍼法」を発明、不器用な自分でも鍼をうまくさせる方法を思いついたそうです。
その躓いた石は、「福石」と呼ばれ江の島神社の参道に今でもあります。少し眉唾ですけどね(笑)
でも、その発明した「管鍼法」はとても理にかなっていて、現在は世界中ほとんどの国でこの方法が使われています。

鍼自体にも痛くない工夫がある

縫い針を例にして考えてみましょう。
針先が鋭くとがっているのが分かると思います。しかも、大変硬くて弾力性がありません。

さらに注射針では、先がナイフのように刃物になっています。
注射針はこの硬く鋭い針先で皮膚や血管を切っていれていきます。注射針が、ゆっくり押し当てるだけで皮膚に入るのはそのためです。

鍼灸の鍼の場合先が丸みを帯びています。(松葉型と呼ばれています。)太さも0.16~0.18㎜が医療に使う一般的な太さではないでしょうか。普通に使う皮下注射用の針(25G)の内形が0.35㎜ですから、その中に入ってしまうほどのサイズなのです。
これらの鍼は、ただ単に細いだけではなく、弾力性も充分に持ち合わせています。
もし曲がってしまった場合でも、鋭角に曲がったり、折れてしまったりしない材質と工夫がされています。

鍼灸の施術で使われる鍼は、皮ふ面を切るのではなく、この細さと弾力性を最大限に利用して、「皮ふ面を押し広げる」ようにして入っていくのです。
蚊に刺された時に痛くないのは、蚊のくちばしも鍼と同じように丸みを帯びているからです。