漢方薬は神農皇帝が広めた
中国の言い伝えによると、3600年もの昔の皇帝「神農」が薬草を利用したとされています。
神農は「自ら数百の草根木皮を試し70もの毒にあたり、その効果を医療として広めた。」と伝えられています。
そして、これが漢方薬の起こりとされているのです。
漢方薬の原典は『神農本草経』といいますが、やはり神農の名前を冠しています。
漢方薬の始まりは、薬になる食べ物を食することです。
鍼の起源は中国?
鍼の場合の起源は明確ではありません。鍼の原型はイランやインドの説もあるのですが、中国の「十二稜」などの発掘調査で鍼の原型が発掘されており、
鍼の起源は中国の説が最も有力となっています。
いずれにせよ起源の年代は3000年を超えてさかのぼることは確かなのです。
最初の鍼は石
古代中国における最初の鍼は、金属がない時代ですので当然でしょうが、石を研磨し尖らせたものだったようです。
その他には、時代によって堅い木を尖らせたもの、動物の骨や角を尖らせたものがあったようで金属加工ができるようになるまでは、
いろいろなものが利用されていたようです。
しかし、石を尖らせた程度では現代の鍼のようにツボに深く刺すことは不可能ですので、古代の石の鍼では、皮膚をツツク、
コスルなどの刺激の方法がとられていたようです。
この鍼のことを「へん石」と言い、古典文献には「古はへん石を鍼とす。これをもって痛みを治すところなり。」と記述されています。
鍼治療の始まりは、痛い辛いところを石でつつく、こすることです。
灸は中国北部で発達した
中国の北部は大変寒い地域なのに、古代中国の人々は放牧して移動し野外生活をしていたようです。
その結果、寒さからくる病気にかかるため、暖かくなる治療法が発達してその中から「灸」の治療法が残っていったとされています。
灸治療の始まりは、冷えて辛い、痛い所を温かくすることです。
なでる、さするは手当の原点
なでたり、さすったりする治療法は世界中にあります。
この手当法はむしろ、漢方薬や鍼灸の治療方法よりも古いかもしれません。
この治療法を体系付けたのが、導引と按摩法(マッサージ・あんま・指圧)なのです。
導引按摩の始まりは痛い・辛い所をなでる、さすることです。
薬石の効なく・・・
どこかで目にしたことがあるやもしれませんが、お悔やみ分でよくつかわれる言葉です。この薬とは「漢方薬」のことで、石とは「へん石=鍼」のことです。
つまり、「薬も試し、鍼の治療も充分しましたが、手当の甲斐なく・・・」となるわけです。