西洋医学も東洋医学も、生命力=自然治癒力をとても大切にして、それを踏まえた上で発達してきたものだったのですが、
西洋医学は18世紀を境に、症状の改善のみを目的とした分野が著しく発達し(細菌感染症や外科手術など)
さらには、検査技術の発達で集団医療として人類に貢献してきました。
しかし、その結果として個人をみる医療としては多少かけてきたものがでてきました。
戦前の日本の食事や生活習慣は自然に近いものだったので症状さえ取り除けば病気は治ってしまい、「生命力の強化」などは考える必要がなかったのです。
現代社会では、物質万能主義や経済優先となり、人間味や自然が疎外され、人々の体力は低下しストレスにさらされている生活をしいられています。
その中で起こってきた「病」は過去のものとは微妙にずれが発生しています。
症状はあっても検査結果にはあらわれないなどのものは、その最たるものでしょう。
東洋医療は、もともと個人の医学として発達してきました。
現代の生活の中での、自然治癒力の低下・さまざまな生活習慣病(成人病)自律神経失調症・身体過敏症状などの現代の病める姿には病人を診る東洋医療(鍼灸)はもっとも有効なのです。
二つの医療にはそれぞれの良さがあり、療法を上手に活用することが現代人の健康には必要なのです。
病院医療と東洋医療(鍼灸・漢方)の違い
東洋医療
特徴
- 不足した体内物質を補う
- 体力のカバー
- 心理的に支えるケア
- 痛みを軽減する
歴史と考え方
歴史
- 中国約3000年前に鍼灸学の体系が出来上がる。
- 5世紀(飛鳥時代)仏教とともに医師が渡来、日本の医学としての独自の発達をする。
考え方・・病人に主体を置く
- 病気だけでなく、病人の身体を総合的に判断している。
方法・手段
- 鍼・灸
- 手技療法
- 漢方薬・食膳
病院医療
特徴
- 細菌感染の抑制
- 炎症を鎮める
- 癌などの外科的切除
歴史と考え方
歴史
- 18世紀はじめラ・メトリー「人間機械論」に始まり、18世紀後半、ジェンナー種痘接種に成功。
考え方・・病気に主体を置く
- 病気の部分の不調をとらえ、局所的に判断している。検査結果が正常ならば体調が悪くとも病気ではないという判断。
方法・手段
- 外科的手術
- 化学合成薬品
- レントゲン・CT・MRI